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アーユルヴェーダ

アーユルヴェーダ医学の考え方

 この頃よく耳にするインドエステや、タイ式マッサージなど、薬草の成分を混ぜ込んだオイルなどによってマッサージする健康法が流行しております。このような医学は、インドの伝統医学で3000年以上の歴史をもっており、アーユルヴェーダ医学と呼ばれて、アーユル=生命の、ヴェーダ=科学を意味しております。

ところで、アーユルヴェーダ医学の発展に仏教が大きく貢献していることをご存じでしょうか。今を去る2500年の昔、仏教教団に生活する僧侶方の健康を維持するために、のお釈迦さまはインド医学(アーユルヴェーダ)から衛生学の知識を学び、僧院の中に現代の台所にあたる厨房(ちゅうぼう)を設けました。

 その理由として「人は食べ物によって養われている。食べ物の化身そのものだから、四大の調和した食法に適った食生活がとっても大事です」というのです。つまり、台所は僧院、家庭の薬局であると考えておりました。
 ではお釈迦さまが具体的に、どのように食事健康法を実践なされていたのでしょうか。まずお経文ではまず人が病気になるのは、生命エネルギーの四大(しだい)の不調和、地大(ちだい)・水大(すいだい)・火大(かだい)・風大(ふうだい)のアンバランスが原因であるといいます。

 現代のアーユルヴェーダ医学ではそれが整理されて、3つの要素から説明しております。これからここで使用する言葉は、アーユルヴェーダ医学ではごく一般的に使われているインドの用語です。説明を付けますから是非なれて下さい。
 まずこの3つの要素はトリ・ドーシャ(三大)と呼ばれて、私たちの健康度や体質を理解する基礎になります。
①ヴァータ(vata・風大)
②ピッタ(pitta・火大)
③カパ(kapha・水大)
の3つの要素のことで、この3つの要素の調和が乱れると病気になるというのです。

 ここでこの3つの要素の調和、不調和を理解するために、この3つの要素の性質を象徴的に説明してみましょう。
①ヴァータは夏に蓄積、晩夏に悪化し、冷性・乾性・動き・高齢期(60~90才)
②ピッタは晩夏に蓄積、秋に悪化し、温性・燃焼・青年期(30~60才)の性質
③カパは冬に蓄積、春に悪化し、冷性・油性・結合・幼年期(0~30才)の性質のそれぞれに分類します。

 そして、これを6つの食べ物の味(六味)と比較しながらお話しますと、まずこの6つとは、甘味・塩味・酸味・辛味・渋味・苦味ですが、
①「ヴァータは辛味・渋味・苦味によって増大し、甘味・塩味・酸味によって抑えられる」
②「ピッタは辛味・塩味・酸味によって増大し、渋味・苦味・甘味によって抑えられる」
③「カパは甘味・塩味・酸味によって増大し、辛味・渋味・苦味によって抑えられる」
といいます。

 ですから、身体の状態は心の状態の善し悪しに左右されるのは勿論のこと、とくに上でお話しました3つの性質を持っている食べ物の調和と、季節に適した生活の調和が大切だというのです。